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パンデミックから回復しつつあるモバイルアプリ業界の現状

Kae Mochida
8月 11, 2021

パンデミックの影響で、一部の企業では依然として足踏み状態が続いていますが、全体的に景気が徐々に回復し始めていることを示す強力な指標も出ています。一部のアナリストは、世界的に見て過去80年間で最も強力な、不況後の回復に向かっていると推定しています。

レストランや旅行など、一部の市場や分野では、営業再開後、持続的な上昇傾向を見せており、またモバイルアプリ業界も 2021年上半期の消費者支出が 649 億ドルを記録するなど、急速なペースで成長を続けています。

パンデミックの状況が人々の行動に影響を与え、日常生活を変化させたこともあり、これらモバイルアプリの成長およびユーザーエンゲージメントの加速は今後も継続していくでしょう。例えば、困難な状況下でエンターテインメントを提供したアプリや食事を配達するデリバリーアプリ、リモートワークを支援したアプリなどが挙げられます。

 

モバイルゲーム

ロックダウンや緊急事態宣言の期間中、さらに多くのユーザーがモバイルゲーム、特にハイパーカジュアルゲームをプレイするようになりました。事実、2021年の消費者支出のメインはアプリ内課金が占め、モバイルゲームは世界で最も多くダウンロードされました。App Annie のレポートでは、映画館やコンサート会場など他のエンターテインメントが復活しても、モバイルゲームアプリは引き続き利益をもたらし続けると予測されています。

 

リモートワークとヘルスアプリ

一部企業が通勤スタイルに戻り始めている一方で、完全なリモートワークやハイブリッドワークを選択する企業も増えています。Zoom や Google Meet などのオンラインミーティングサービスは、今後も重要な役割を果たすことになるでしょう。

生産性向上のためのアプリやツールも世界的に成長しており、中でも VPN アプリがチャート上位を占めています。これは、リモートワーク環境はもちろんのこと、Apple がリリースした最新の iOS 14.5 の話題に関連し、プライバシーが重視されるようになったことが要因と考えられます。

また、医療およびフィットネスアプリの需要は引き続き高く、支出額は6億7,300万ドルを超えています。医療アプリのダウンロード数は、パンデミック前と比べて75%増加しており、公衆衛生政策や薬局へのモバイルアクセスの需要が広がるなかで、テレヘルス(遠隔医療)アプリがダウンロード数の上位カテゴリにランクインしています。

 

金融・銀行アプリ

人々が外出しなくなった結果、株式市場への関心も高まりました。ビジネスアプリは、アプリの滞在時間がパンデミック前に比べて 30% 増加したという新記録を達成し、「Binance」や「Coinbase」といった、米ドルや暗号通貨への投資アプリが異例の成長を遂げました。

 

フードデリバリーアプリ

いつも利用していたレストランやバーが徐々に再開されたことで、フードデリバリーアプリが劇的な成長を遂げました。UberEats や Amazon Freshは、アプリを通してデリバリーを行い、テイクアウト料理や生鮮食品を届けることでより快適な生活を提供するようになりました。

 

ソーシャルアプリ、旅行、デート

シームレスなメッセージング、ストリーミング、ビデオの組み合わせを提供するアプリは、エンゲージメントが急増し、中でも TikTok がダウンロード数と消費者支出でトップに立ちました。また、Telegram、Tinder、Twitch、YouTube も利用者が増加しました。

外出して人々とコミュニケーションという願望とともに、Tinder や Pairs などの出会い系アプリも大きな成長を見せました。ユーザーのエンゲージメントは上昇していますが、アプリ内課金は減少しています。これは、経済や失業の影響によるものと思われます。

 

今後も継続的な回復が見込まれる

モバイルアプリの多くのカテゴリーが、今後も継続して上昇傾向が見込まれる中、利便性とコミュニケーションを提供するアプリは、今後も成長を続けていくでしょう。

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