パフォーマンスマーケティング, モバイルアプリ成長, ユーザー獲得

大人のためのアプリマーケティング入門 <基礎編>

Yuki Manno
8月 16, 2018

Apple Search Adsが日本に上陸を果たすなど、オンラインマーケティング業界は常に進化し続けています。手段や商品は日々多様化し、あらゆるツールやサービスが溢れていますが、それと同時にマーケターに求められるものも同時に増えています。

本日の記事では、現役のマーケターとしてアプリ広告の運用を担当している方はもちろん、これからマーケターになる方までを対象に、マーケティングの目的や手法、考慮すべき点などをお伝えいたします!

 

皆さんがアプリマーケティング、特にパフォーマンス広告を出稿をする理由は一体何でしょうか?みんなやっているから、それが仕事だから、ランキングで1位を取りたいから、様々な理由がありと思います。

先程も述べたとおり、Google AdWords などのリスティングを始め、ASO(App Store Optimization, アプリストア最適化)やアフィリエイトネットワーク、AppLovin のようなアドネットワークなど、マーケティングの手段は多岐にわたります。それらの手段を全部行って、全部で成功することはまずないでしょう。ですのでやることを絞る必要がありますが、どこに力を入れて、どのように戦略を立てればいいか悩む方も多いかもしれません。そこで、「なぜやるのか」というのが非常に重要になってきます。

目的についてもう一度考えてみましょう。マーケティング初心者の方はどうしても、広告を出稿することが目的となってしまいがちです。なんとなく、周囲がやっているのと同じようにやればいいだろうと考えてしまうことがあります。しかし本来の目的は、効率よくユーザーを獲得し、ビジネスを成長させることです。

 

では、効率よくユーザーを獲得する、とは具体的には何を指しているのでしょうか。

これは大変簡単です。CPI ( Cost Per Install, 1インストールを獲得するのに支払った価格 )と、LTV ( Life Time Value, 1インストールあたりの売上 )を比較し、

CPILTV

の状態が成り立つ限り広告を最大限打つ、ということになります。これが理想的な「効率の良いユーザー獲得」です。簡単そうですね!

 

しかし当然ですが、出稿を行っていないアプリの CPI や LTV を知ることはできません。広告とはいわば、先払いの投資のようなものであると言えます。つまり、先に広告費、というお金を払い、そして後で売上が返ってくるのです。

返ってくるかも分からないお金を払うなんてとんでもない?

そういった不安を取り除き、より確実性を上げるために、世の中のマーケターたちはしのぎを削っているのです。そのために必要なことは2つあります。

測定」と「推測」です。

広告出稿とは、現状の数値をなんとかして測定し、これから出稿する広告のCPI、LTVを推測する戦いなのです。

ではまず測定について見てみましょう。

 

広告効果の測定ルール~トラッキング SDK とアトリビューション

TUNE や Adjust、AppsFlyer、 などといったツールを耳にしたことがある方も多いはずです。現状マーケットに出ているほぼすべてのアプリが、トラッキング用の SDK を実装しており、この SDK を利用して、広告効果を測定しています。

広告効果の測定ルールは各トラッキングツールによって決められており、すべての広告ネットワークに対し、第三者視点で公平に一定のルールでジャッジが下される仕組みとなっています。

一定のルールでは、クリックおよびインプレッション(広告の表示)に、有効期間、及び優先順位が定められている場合がほとんどです。例を挙げて見てみましょう。

 

例えば上記の図のようにインプレッションやクリックが発生したとしましょう。

そしてここでは

  • Click → 7日間有効
  • Impression → 1日間有効

であるとします。

そうすると、1/6に発生したインストールについて、有効なものはNetwork Bのクリックと、Network Cのインプレッションです。通常は、最後にユーザーが触れたネットワークに成果がつくので、Network Cにインストール成果がつきそうですが、通常は、クリックはインプレッションに優先する、というルールがあります。ですのでこの場合はNetwork Bにインストールの成果が与えられます。

 

とはいえ、インプレッションである Network A と Network C が無意味だったかというと、そうではないかもしれません。それは、誰にもわからないのです。

また、このルールはトラッキングツールによって細かい差異はありますし、極論、Network Bのおかげでインストールが起きたのかさえ、誰にもわかりません。ですので、この点について拘りすぎないことも大切です。

では次に推測について見てみましょう。

 

広告効果の推測について

○○円かけたから、XX円の収益が得られる!と最初から分かることはありません。予測を行うために意味のあるデータをとるには、かなりのデータ数が必要となります

また、2つ以上のデータを比較する際は、基本的には同じ条件下のデータを比較することが必要となりますが、多様なデータをまったく同じ条件で比較することは不可能といえます。

「適当に」ではなく、いい意味で「ざっくり」比較し、大きくデータを俯瞰することが大切です。

例えば投資のためのコストを最初に決め、そのコストはすべて投資してしまうこと。そしてそこから得られたデータで、大体の収益を予測する、などが有効な方法として考えられます。

コツとしては、経験則から自分なりのルールを設けて、それに則って運用を行うことです。もちろん 100% はありませんが、自分でルールを決めることで、ある程度安定した運用ができるようになります。

 

さいごに

マーケターとして必要なこととは何でしょうか。

AppLovin をはじめとする広告プラットフォームの登場により、広告そのものはどんどん自動化されています。そこで必要とされるスキルは、

・プロダクトを全体的に見る俯瞰的な視点

・次に取るべきアクションの意思決定

ではないでしょうか。

広告プロダクトが洗練され、どのプロダクトも自動化の方向に進んでいる中、

・広告を運用し、広告効果を最大化する

という部分がマーケターの仕事であった時代は、もはや終わりかけている、と言っても過言ではないと思います。

 

広告がビジネスの全体的な成長を助ける結果になっているか、また、そもそもビジネスを成長させるために何をすればいいのか?そういった視点から考えていくことが、アプリマーケターの仕事となっていくと思います。

次回<実践編>では、具体的な指標やクリエイティブについてなど、さらに踏み込んでいきたいと思います!

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