ゲーム, モバイルアプリ成長

韓国でのゲームローンチ、ローカルメディアの活用が鍵

Kae Mochida
1月 23, 2019

안녕하세요!マーケティング担当の持田です。
今日は少し趣向を変えて、”ゲーム大国” 韓国でモバイルゲームをローンチする際のおおまかな戦略、ポイントを5つ皆さんにシェアしたいと思います。

現地代理店の助けを借りることももちろん重要ですが、まずはしっかりと市場についてよく知った上で挑みましょう!日本ではまだ知られていない、ローカルのポータルサイトやSNSの活用が、成功の鍵となります。

 

1.事前登録から戦略をしっかりと

ゲームをローンチする際のマーケティングは、ローンチ前からのスタートダッシュが重要です。事前登録ページを制作し、ゲームの総合情報サイトであるHungryapp  (日本でいう4Gamer.net)や、事前登録専用アプリ 예약TOP10、 Gameshuttle (Androidのみ) などに広告出稿し、掲載しましょう。こういった事前登録アプリは韓国で数多くローンチされており、ゲーム内のアイテムがもらえるクーポン発行や、アプリオリジナルイベントなど、様々な形でユーザーとのタッチポイントを作ることができます。

事前登録ページは、ローンチ後にさらに多くのユーザーを流入させる経路として活用できます。事前登録ユーザーにダイレクトにメールを送ったり、Gameshuttle のプッシュ通知などを利用してリリース告知をすることができるからです。

事前登録を行うユーザーの中には、いわゆる「高課金ユーザー」も多く含まれるため、実際このプロセスの ROI が一番高いという声も少なくありません。

Gameshuttle アプリ画面キャプチャ

 

 

2.ローカライズはしっかり

開発したゲームを韓国でローンチする際には、ローカライズをしっかり行いましょう。当たり前のことに思えるかもしれませんが、意外と見逃しているポイントが多いものです。

ハイパーカジュアルゲームのように、テキストを含まないゲームであれば問題ありませんが、そうでない場合は細部までしっかりローカライズするよう心がけましょう。ゲームに夢中になっている最中に、知らない言語が急に出てきてしまうと、気持ちが冷めてしまうものです。

「生きろ!マンボウ!」(iOS | Android) で有名なSELECT BUTTONさんも、2段階で綿密なローカライズを行うことで韓国でのヒットに成功しました。

 

3.広告クリエイティブで気をつけたいこと

カジュアルゲームの場合でも、そうでない場合でも言えることですが、広告クリエイティブのフォントによって、大きく結果が変わることが少なくありません。

漢字が多い日本語に比べ、韓国語のハングルは英語のように使う文字数が少ないため、フリーフォントでも様々な種類のフォントを見つけることができます!ぜひ、自分のゲームにぴったりのイメージのフォントを使ってクリエイティブを制作してみてください。フォントを変えてクリエイティブの A/B テストを行うのもいいかもしれません。

下記に、韓国のゲーム関連クリエイティブを例示しました。日本語では文字種の多さから、イメージを作り込むのが多少面倒なこともありますが、韓国語の場合はフォントを変更するだけでだいぶイメージを変えることができます。

また一番下の画像は韓国で本格ローンチしたばかりの「Fortnite」ですが、こちらもポップなフォントでイメージ統一に成功しています。

 

4.MCN(Multi Channel Network)を活用

Youtube や Africa TV (韓国のニコニコ動画のようなサービス)などをはじめとする動画サイトも、韓国では多くゲームマーケティングに活用されます。

Africa TV で放送する人は BJ(Broadcasting Jockey)と呼ばれますが、人気 BJ がゲームをプレイする様子とそのゲーム画面をリアルタイムで放送する「生放送実況」がまず挙げられます。生放送の場合、露出範囲が限られるというデメリットがありますが、Africa TV の BJ は、自身の生放送動画を編集して Youtube に投稿することも多く、また有名 BJ の場合芸能人のような人気がある場合もあるため、大きなリターンが期待できます。

 

5.ユーザーとのタッチポイント

SNS への広告出稿はもちろん、重要なポイントの一つです。Facebook などの広告に関しては韓国も例外ではなく規模も予算消化速度も早いため、重要であると言えます。

ただSNS上でのマーケティングも、モバイルゲームマーケティングでは重要視されます。Facebook や Twitter などのグローバル媒体はもちろんですが、「カフェ」と呼ばれるオンラインコミュニティ(mixi でいうコミュニティに近い)やブログなど、様々な SNS の活用が鍵となります。

効果的に SNS でバイラルを起こすためには、事前登録フェーズからローンチ、運営の各段階に合わせて、ぴったりのコンテンツを制作して運用していく必要があります。成功すれば、ユーザーの関心を長期間に渡って掴むことができる大変効果的なツールとなります。

実際に株式会社イグニスさんの「ネズミだくだく~マウス繁殖セット~」(iOS | Android) は、韓国の Facebook でのイベント運営などを通してコミュニティおよびバイラル形成に成功し、100万ダウンロードを超える大ヒットを記録しました。

NAVERDaum のようなローカルポータルサイトの「リアルタイム検索ワード」に表示されるほど大きな話題を作ることができれば、そのゲームのユーザー獲得を更に加速させることができるでしょう。ただ最近はバイラルを狙うゲーム会社の数も大変多く、また似通ったコンテンツが制作されることも多いのが現状であるため、実際に大きな話題を作り出すことは難しい状況になってしまっています。SNSマーケティングのタイミングでアドネットワークへの広告出稿も合わせて行うことで、より効果的にユーザーにゲームをアピールすることができます。

適切なタイミングで適切なコンテンツを投下し、話題作りを行うことがなによりも大切です。

 

いかがでしたでしょうか?SNS でいわゆる”バズ”を起こしたり、事前登録から準備をしっかりするという部分に関しては日本と大きく差があるわけではないように見えるかもしれません。しかしここで鍵になるのはやはり、その存在を無視することができないほど規模が大きい、韓国独自のローカルメディアの存在です。

グローバル視点はもちろん大切ですが、ピンポイントで市場を狙っていくのであれば、彼らをうまく活用していくことが、同じく海外から韓国進出を狙うゲームとの大きな差別化になるでしょう。

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