パブリッシャーは、意図しないリダイレクトや自動クリックを引き起こす広告、アプリをクラッシュさせる広告、不適切なコンテンツを表示する広告など、問題のある広告を検出するために広告品質ツールを利用しています。AppLovinでは、MAX内のAppLovin Ad Review(旧SafeDK、2019年に買収)を通じてこの機能を提供しています。他社も同様のツールを提供しています。
こうしたツールが機能するためには、実際に配信された広告を確認できる必要があり、そのアクセス権限はパブリッシャーから提供されます。しかし、そのアクセスには責任が伴います。データは、広告を配信したネットワークと広告を閲覧したユーザーに帰属するものであり、問題のある広告を発見して排除する目的にのみ使用されるべきです。
本記事では、この基準と、AppLovin Ad Reviewがどのようにその基準を満たしているかについて説明します。
AppLovin Ad Reviewの仕組み
AppLovin Ad Reviewが実行されるのは、MAXがメディエーションを行ったインプレッションのみであり、パブリッシャーがMAXダッシュボードでこの機能を有効にした場合に限られます。収集されたデータは広告の審査に使用され、レポートには集計された形で反映されます。現在、ユーザーレベルの詳細情報が存在するのは、パブリッシャーが特定の問題広告を追跡し、ブロックできるようにするためだけです。
当社がこのデータからユーザーやデバイスのプロファイルを作成したり、AxonをはじめとするAppLovinのモデルに取り込んだりすることはありません。他社ネットワークが配信した広告のデータを利用して、当社のモデルをトレーニングすることは一切ありません。
それでも当社は、ユーザーレベルの詳細情報を完全に廃止します。問題のある広告を検出するために、こうした情報は必要ないからです。Ad Reviewには、すべての広告品質ツールが満たすべきだと当社が考える基準を適用したいと考えています。
なぜ重要なのか?
ユーザー。 ネットワークが配信する広告は、そのネットワークがユーザーおよびパブリッシャーとの契約に基づいて収集したデータでトレーニングされたモデルの出力です。別の企業が、あるネットワークの配信広告をユーザーレベルで取得すると、そのネットワークとユーザーのデータの一部が、これらの契約の範囲外へ持ち出されることになります。しかも、パブリッシャーやユーザーは、その事実すら認識していない可能性があります。
ネットワーク。 各ネットワークの競争優位性を支えるのは、誰に何を表示し、その結果何が起きたのかという独自の広告配信履歴です。他社ネットワークのすべての広告配信に入り込むことができれば、価格情報とひも付いた業界全体の配信結果を取得できてしまいます。当社の規約が、当社サービスから派生したデータの第三者への提供を禁止し、価格情報を機密情報として扱っているのは、まさにこのためです。
アトリビューション。 このデータストリームでリアルタイムモデルをトレーニングしたネットワークAに何ができるかを考えてみてください。ネットワークAは、ネットワークBが特定のユーザーに、特定の広告主の広告を、特定の価格で配信したことを把握できます。するとネットワークAの入札システムは、そのユーザーに対する次のインプレッションを買い付け、同じ広告主の広告を表示し、ネットワークBの広告費によって生まれたクリックやインストールを獲得できてしまいます。
AppLovinの取り組み
基準はシンプルです。広告品質ツールが外部に提供するのは、集計され、個人を特定できない形に処理されたデータに限るべきであり、他社ネットワークが配信した広告をユーザーレベルで取得すべきではありません。
問題のある広告は、集計データでも同じように検出できるため、この制限によって広告品質が損なわれることはありません。この基準が守るのは、そもそも質の高い広告を配信しようとするインセンティブです。ネットワークが広告配信に投資するのは、その成果が自社に還元されることを前提としているからです。その配信結果を取得して競合の広告配信モデルに利用するツールは、コストを負担していない第三者へ成果を流出させ、エコシステムの発展を支える投資とイノベーションを阻害します。
Ad Reviewは現在、この基準を満たしています。ユーザーレベルで広告ジャーニーを確認する機能は廃止され、パブリッシャーにはネットワーク、広告ユニット、クリエイティブ別の集計レポートが提供されます。集計型のAd Review SDKは、iOSおよびAndroid向けに提供されています。他のプロバイダーも同じアプローチを自由に採用できます。当社はパブリッシャーに対し、アプリに導入されているすべての広告品質SDKが同じ基準を満たしているかを確認するよう推奨しています。
当社は、自社のインプレッションにひも付くデータやパートナーのデータが、「広告品質」を名目に収集され、その他の目的に悪用されることを、収集される環境にかかわらず容認しません。当社の規約は、MAX内に限らず、あらゆる環境においてこれらのデータを保護します。このような行為は、エコシステムを支える信頼、公平性、そして足並みのそろったインセンティブを損なうものです。
Adam Foroughi
CEO
2026年9月16日