ゲーム, ブランドセーフティ

Brainium と Zynga に聞く、ブランドセーフティの対策方法

Amy Mills
3月 26日, 2020
AppLovin SafeDK

年明けに開催したセミナー「AppLovin Amplify Tokyo」では、大手デベロッパーの Zynga 様 と Brainium 様 から貴重なお話しを聞くことができました。広告の品質を確保する上で最も重要なこと、ユーザー体験と広告表示で生じるトレードオフの解決法、そして、ブランドセーフティソリューション「SafeDK 」の活用法について伺いました。

 

広告とユーザー体験の間に生じるトレードオフとは?

Zynga の Sr. Manager、Matt Frankenstein氏は、同社の指針は「ユーザーが喜ぶことはについて常に考えること」だと言います。そしてユーザーにはゲームプレイに集中してほしいと言います。Zynga も Brainium も、アプリのマネタイズに広告を活用しており、それが、無料のゲームプレイ提供やプレイヤーファーストのアプローチ実現の一助になっています。

Brainium で Operational Manager を務めるMichael Chronister 氏は、「考え抜かれた素晴らしいゲームを開発したにもかかわらず、悪質広告でそのユーザー体験を台無しにしてしまことを絶対に避けるべきです」と語りました。

 

解決策としての SafeDK

SafeDK は、設立メンバーのモバイル業界での経験を基に生まれました。SafeDKの創業者、 Orly Shoavi とRonnie Sternberg は、モバイルアプリに最適な第三者のソフトウェア開発キット(SDK)を見つけること、そして広告品質を徹底することの難しさを感じていました。アプリをクラッシュさせたり重くしたりしている原因、あるいはユーザーの個人情報にアクセスしているかもしれないという問題を解決できればと考えていました。SDK で行われていることを透明化し、どの広告が自社アプリで表示されているかをリアルタイムで特定できるプラットフォームを提供しようとして生まれたのが SafeDK です。

SafeDK  開発後、サービスは進化し、モニタリング機能も追加されました。背景には、モバイルパブリッシャーの80%以上が広告でマネタイズを図っているにもかかわらず、その大半が自らのアプリでどのような広告が表示されているかを把握できていないという状況がありました。Chronister 氏とFrankenstein 氏の言う通り、ユーザー体験と広告表示でトレードオフを生じさせてはならず、その解決策として、SafeDK はユーザーに表示されている広告を把握することを可能にします。

 

悪質広告への対策

パブリッシャーはこれまで、わずかな隙をついて不特定に悪質広告を表示させる広告ネットワークを特定することはできませんでした。悪質広告を流すネットワークが特定できなければ、それをブロックすることもできません。あらゆるアプリパブリッシャーがこうした問題に直面していました。Brainium の Chronister 氏は特に、悪質広告に気付くまでのタイムラグが最大の問題だったと言っています。Brainium では、悪質広告が大量に表示されて、苦情や低レビュー、アプリストアでのランキング低下につながってからやっと、特定の広告に問題があることに気づくような状況だったといいます。Chronister 氏は、「現在は SafeDK のお陰で、表示回数が5回でもメールで通知が届きます。5万回でやっと気づくのではなく、5回の表示回数で悪質広告を特定できるようになり、後手に回ることなく、先手を打つ形で対策を打ち出すことが可能になりました」と語っていただきました。

 

ユーザーからの苦情への対応

Zynga の Frankenstein 氏はパネルディスカッションで、アプリストアやアプリ内の報告ツールを通じてユーザーからの苦情が届くものの、苦情に関連する広告のソースを特定する的確な方法が今までなかったと語りました。この問題へのソリューションに取り組んだのが SafeDK が提供する User Journey ツールです。この機能ではユーザーがポジティブな広告体験を持てるよう徹底し、ユーザーの苦情が未解決のままとなるのを減らすことを可能にします。

「現在では、ユーザーの苦情にタイムスタンプがあれば、該当ユーザーに表示された広告の履歴を確認し、どの広告が不適切なサイトへとユーザーを誘導したのかを特定することができます」と、Frankenstein 氏は説明しました。

パネルディスカッションの参加者は全員、これまでは、アプリ内で表示される悪質広告を特定することは不可能に近いと感じていたと言います。Brainium の Chronister 氏は、SafeDK が登場してこれが変わったと言います。両社とも、ユーザーの苦情に全て対応し解決できるよう、SafeDK の User Journeyツールが活用されています。

 

SafeDKはどのように機能するのか?

SafeDKが開発した優れた特許技術が、SDKのパフォーマンスと安定性をモニターし、エンドユーザーに表示される広告とそのソースを把握します。SafeDKでは、把握した広告の品質を追跡し、全てのクリエイティブに関してSafeDK自社のAI機能によってアダルトコンテンツが含まれていないかの可能性を「スコア」付けします。その後、スコアに基づいて人間がマニュアルでチェックし、パブリッシャーの特定のポリシーに沿って、それぞれの広告を不適切ないし不具合があるものとして仕分けます。こうしたマニュアルのチェックを受けたクリエイティブに関するデータは、AIへと蓄積され、精度向上へと活用されます。SafeDKではすでに10以上のAIモデルを導入し、特定した大量の広告データに基づく結果を向上させています。

 

さまざまな悪質広告に対応

Brainium と Zynga ではアダルトコンテンツだけでなく、政治的あるいは暴力的な広告の排除にも取り組んでいます。SafeDK が備えるウォッチリストで要注意としてリストされている広告がアプリに表示された場合には、パブリッシャーはメールで通知を受け取ることができ、迅速に監視・対応に取り組むことができます。

 

安定性の問題解決策としても

Brainium の Chronister 氏は、「SafeDK の素晴らしいところは、クラッシュやレイテンシィの原因となっている SDK を特定するモニタリングツールも備えているところです。これにより、クラッシュのログを広告ネットワークに送って、問題の原因を明らかにし、より迅速に解決に辿りつくことができるようになりました」と言います。

 

ウィンウィン

パブリッシャーと広告ネットワークの間で広告の透明性を高めることがウィンウィンの状況につながるという点を、パネルディスカッション参加者は全員再確認しました。

「SafeDKによって、広告ネットワークは自らが提供するものについて責任を持つことを認識するようになり、これは結局、エンドユーザーに最高の体験を提供するという共通のゴールを目指すことにつながります。広告ネットワークにとっては広告在庫をきちんと管理する一助となっており、また、ネットワークやパブリッシャーの間では、不正を重大に受け止めて自らの広告に責任を持とうとする動きが広がっています」と、Zynga の Frankenstein 氏は語りました。

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