先日開催されたウェビナーでは、世界的なモバイルゲーム会社 Etermax でCMOとして活躍する Ignacio Ortiz 氏にお話しをうかがいました。ブエノスアイレスに拠点を置く Etermax は、ソーシャルゲームやカジュアルゲームを中心に手掛け、『Trivia Crack』、『Trivia Crack 2』、『Words & Ladders』などのタイトルを開発しています。
Etermax は昨年、プロトタイプの開発に集中的に取り組み、ソフトローンチまで漕ぎつけたといいます。プレイヤーを最大限に増やすための適切な KPI 設定について理解を深めたとのお話を Ignacio Ortiz 氏から伺いました。
ウェビナーでお話いただいた主なテーマは次のようなものでした。
興味深い8つのポイントをご紹介します。
Ortiz 氏によると、どの広告のパフォーマンスが最も高いかを特定する際は、「広告の変数は少ないほうが良いです。静的分析を行ってなおかつその結果を信頼するのであれば、それを採用すべきでしょう」といいます。
さらに、スケールを目指しているならば、ゲーム開発に影響させるだけでなく、なにを構築するかという軸の部分にも影響させるようなテスト形式とする必要があります。
ソフトローンチにあたっては、Etermaxでは次の3つの点をおさえたクリエイティブとなるようにしています。
3つ目のポイントは、新しい機能をテストしてアイデアにつなげられるものだと Ignacio Ortiz 氏はいいます。Etermax では、新しい機能をソフトローンチでテストし、新規ユーザー獲得を成功に導いてきました。こうして、新たな機能を正式ローンチの直前に組み込むのです。」
Ortiz 氏は自らのマーケティング経験から、次のように語りました。「十分に広告に投資しているか、あるいはまだ ROI が十分でないか、常に悩みます。それでも、改良に向けて適切なステップを進んでいれば大丈夫です。」
CMO として多数の人々を束ねるOrtiz氏にとっては、コミュニケーションを絶やさないことも重要です。チームのモチベーションやエネルギーを左右します。
「Etermaxが成長するなかで、会社としてどのような戦略が進んでいるのかをできる限り伝え、自分たちがやっていることとその目的を理解してもらえるように努めています。」
ユーザー獲得においては、データ活用は比較的新しい取り組みだと、Ortiz 氏は語ります。そして、不正確な結果につながる可能性のあるいくつかの問題を指摘しました。
正しい期待値を導くことが重要です。データが完璧ということは決してなく、時間がかかる取り組みのプロセスで学び、理解することが大切です。
Etermax のリーダーの一員として Ortiz 氏は、多様な背景と経験を持つ最高の人材を確保することが大切だと考えています。チームメンバーが、思考、分析、創造のための十分な時間を持てるよう配慮し、彼らのモチベーションを維持するよう心がけています。
「そうすればメンバーは素晴らしい考えを思いついてきます。たとえば、『~にもっと集中的に取り組んでみよう』などといったアイデアを持ち込んでくれます。働いている時間が型通りでつまらないと、このようにアイデアが生まれることはないと思います。」
Ortiz 氏は以前は、プロダクトの専門ではない自らのチームが、プロダクトチームに口出しすることのないよう伝えていました。
「今ではこれが変わりました。私のチームには、プロダクトがどのように開発されているのかを理解し、マーケティングが関われる隙間を見つけてほしいと思っています。画一的な線引きは避けるようにしています。」
また、壁をまたいで異なる部門の理解をチームメンバーが深められるようにしているといいます。たとえば、プロダクトチームのメンバーが、マーケティングチームの業務を理解するために1週間マーケティングチームの下で学びます。こうした取り組みが、チームワークを育み、異なるチームで協力してどのようにゴールを目指すかを考えることにつながります。
Ortiz氏は、ゲームに対するテクノロジーの使い方を定期的に見直すことにしています。「たとえそれが白紙の状態から再びやり直すことにつながるとしても、大抵の場合、使っているテクノロジ一を一から検討し直す必要があります。1~1年半の間隔で、ブレインストーミングをするようにしています。」
Etermax では、キャンペーンの最適化を可能な限り自動化し、最高のテクノロジーを採用し続け羅れるよう、見直しを行っています。
プレイアブル広告に関する Etermax のアプローチは様々です。「クリエイティブの外注から自社制作まで、様々なアプローチを試しています。時間を要する取り組みですが、クリエイティブの制作者が誰であるかにかかわらず、ROI がカギとなります。」
Etermax では動画広告のキャンペーンで多くの成果を上げていますが、当面はプレイアブル広告も採用し続けるといいます。
Ortiz 氏は、将来的には、ポッドキャストなどの新たなフォーマットにも関心があるといいます。聴いているポッドキャストの途中でゲームの広告が音で流れるというアイデアについて、「おもしろいと思います。未開拓の分野ですが、もしかしたらうまくいくかもしれませんね?」と語っていました。
Etermax の広告のパフォーマンスについての Ortiz 氏のウェビナー動画はこちらからご覧いただきます。