革新的なクリエイティブは、モバイル業界でイノベーションを起こし、新しいオーディエンスを獲得してエンゲージメントを促進しました。 生成AIはパフォーマンス広告の世界において革新的なツールとなり、広告の効率を向上させ、これまでにないレベルの創造性を引き出しています。

AppLovinの社内クリエイティブチームであるSparkLabsは、毎年数万ものクリエイティブを制作していおり、このレポートでは、2023年の目標となる広告クリエイティブのトレンドを紹介します。 今年のクリエイティブのパフォーマンスを最大化するための戦略を詳しくご覧ください。

重要ポイント

  • AI 活用の基盤を構築する

    技術的な専門知識よりもユーザー体験を重視する文化を育み、AIツールの価値と可能性の理解を促進しましょう。

  • 個人よりもチームでの AI 導入を優先する。

    チームの日々の業務にAIを取り入れることで、全体的な生産性とクリエイティブの成果が大幅に向上します。

  • クロスオーバーでオーディエンスへの訴求力を高める。

    成功している他のゲームで人気のメカニクスがあれば、ジャンルにとらわれずに活用しましょう。ゲーミフィケーションは、あらゆるカテゴリーで新鮮なインタラクションを生み出します。

  • 使い慣れた直感的な要素でエンゲージメントを深める。

    人間的な存在感を取り入れれば、パーソナルな繋がりを育むことができます。ユーザーが広告とどのようにインタラクトするかを明確にして、アクションを促しましょう。

本レポートは2023年のデータを基に作成されており、レポート内のインサイトは2024年以降も引き続きご活用いただけます。 SparkLabsは、作成した数万件のクリエイティブを分析し、最も高いパフォーマンスをもたらすクリエイティブの傾向を特定しました。その成功の秘訣となる戦略やトレンドを紹介します。


本レポートでは、以下のデータを分析しました。

812億

インプレッション

331億

クリック数

4.12億

インストール

500+

アプリ

設計上、広告キャンペーンはさまざまな指標に対して最適化され、最適化機能は多くの変数に基づいて広告クリエイティブをスケールします。そのため高パフォーマンスのクリエイティブが、CTR, IR, ROI, ROAS設計上、広告キャンペーンはさまざまな指標に対して最適化され、最適化機能は多くの変数に基づいて広告クリエイティブをスケールします。そのため高パフォーマンスのクリエイティブが、 AppDiscoveryにおいては、キャンペーン予算の中でより高いシェアを占めているものを、高パフォーマンスクリエイティブとみなします。したがって、本レポートにおける「成功」または「トップパフォーマー」クリエイティブは、該当するキャンペーンの予算のうち、最も大きな割合を占めるものを指します。

生成 AI を活用したツールの普及率は、2023年飛躍的に向上しました。 ほとんどのクリエイティブチームは、まだAI 実装の初期段階にあります。その可能性を探り、生産性への影響を観察し、長期的な役割を評価しているのです。

SparkLabsでは、生成されたモックアップや美的スタイルの定型化などのユースケースを含む、クリエイティブ構想と制作における AI の使用を前年比約三倍に拡大しました。 例えば、テキスト読み上げ機能では、動画のナレーションをほぼ瞬時に作成できるようになり、これらの作業をインハウスで行うことで所要時間を短縮しました。

自動生成音声を使用した広告は、成功率が196%増加。動画、プレイアブル、CTV、ASOにおいて、生成AIを使用したクリエイティブの全体数は170%増加しました。

様々なスタイルで解釈した「モナ・リザ」のイラストなど、
Project Makeoverの動画で使用されている要素は、
AIによるI2I(画像を元にしたAIイラストの生成)なしには不可能だったでしょう。

実験的な学習を重視

新しい機能やインターフェイスが絶えず登場し、AIツールはこれまでのどのテクノロジーよりも速く進化しています。まだAIを使ったことがないなら、現在使えるものを調査することから始めましょう。すでに使った経験があるなら、調査を続けてください。なぜなら、ほぼ毎日新しいツールが市場に投入されているからです。AIの使用に費やした時間と労力が、必ずしも実用的なクリエイティブにつながらない場合もありますが、今重要なのは、AIの価値と可能性を理解することで、特定のツールをマスターすることではありません。ダイナミックなテクノロジーとともに進化するインサイトを得ることで、市場の動向を追うのではなく、業界をリードすることができるようになります。

生成AIのツールで人気の機能、「コンテンツに応じた塗りつぶし」により、
広告クリエイティブのバックグラウンド作成と展開効率が大幅に向上

専門知識ではなく文化を育む

AIは、コンピュータの導入がデザインやアニメーションの世界を紙からデジタルへと移行させたように、業界の次の進化を象徴しています。コンピューターのように、生成 AI ツールはクリエイティブプロセスの効率を向上させ、可能性を広げます。

オープンで実験的な文化がもたらした変化: MidJourney によって、4,000以上のクリエイティブアセットが制作されました

ツールへのアクセスと使用が簡単になるにつれ、 AIの運用で重要なのは、チームが最新技術を見つけ、採用するよう促す文化を育むことです。テストに費やす時間は、将来の効率化への投資となります。

AIのメリットを個人からチーム全体に拡大

現在、多くの専門家が生成AIを活用していますが、実際に運用できているチームは多くありません。チーム全体の生産性を向上させ、勝てるクリエイティブを制作するために、個人の実験を日々の業務へのAI導入に繋げましょう。.

方法は以下のとおりです。 :

  • チーム全体での率直な議論と知識共有を促進する
  • 調査・導入のためのAIタスクフォースを結成する
  • 定期的にツールを積極的にテストする
  • AIのユースケースをテストするためのプロジェクトを作成する
  • リアルタイムの協業ツールを使用して、ベストプラクティスをまとめて共有する 
  • 節約した時間をAIのさらなる調査に再投資する

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豆知識

昨年SparkLabs は、AIツールの活用によって制作時間を1,600時間節約しました。 その結果、クライアントに革新的で新しい広告コンセプトを提供することに集中し、さらなる AI の実験に時間を再投資することができました。

個人の実験からチームの運用に切り替え、 AIを活用してマーケティングを成功に導く

より多くのオーディエンスを引き付けるために、マーケティング担当者は他のジャンルの人気要素を取り入れ、コネクテッドTV (CTV)などの新しいチャネルに参入しています。

  1. ジャンルにとらわれない:ゲームは互いのメカニクスを借りる

ハイパーカジュアルゲームは、メタプレイやライブイベントなど、マッチ3ゲームや探し物ゲームなどのカジュアルジャンルでよく使われるメカニクスを取り入れることで、クリエイティブの幅を広げました。

ミッドコアゲームは、「ランナー」や「タイクーン」のようなハイパーカジュアルゲームのシンプルで直感的なメカニクスを採用していますが、低品質のアセットから離れ、より滑らかで高品質なゲームを採用しています。

ファイナルファンタジーXV: War for EOSでは、
ハイクオリティな映像クリエイティブにタイクーンメカニックを採用

カジュアルゲームは成功を続けています。多くのタイトルが従来の成功例に固執する一方、実績のある物語コンセプトが新しく実写化されたり、これまでにない新しいストーリー展開やストーリーテリングの手法がCTVクリエイティブにおいて注目を集めています。

  1. 訴求力を高めるゲーミフィケーションと革新的なメタプレイ

メタプレイ広告は、コアなゲームプレイをシミュレートするゲーム広告の一般的な形式とは異なり、人気と多様性の両方を獲得しています。広告に関連性の低いゲーム要素を減らすことで、ゲームから得られるモチベーションを利用し、飽和状態の市場で目立つ機会を増やすことができるのです。

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「メタプレイ」とは?

メタプレイとは、カジュアルプレイヤーをターゲットとする、複雑なゲームのミニバージョンなど、コアゲームプレイとは異なるゲームプレイのメカニクスを指します。広告クリエイティブにのみ登場する場合もあれば、メインメカニクスの一部である場合もあります。

Card Shuffle Sort の実際のゲームプレイ(左)と広告のメタプレイ(右)は、
異なるゲームメカニズムを示していますが、
根本的にユーザーに与えるモチベーションは同じです。

ゲーマーのモチベーション

ゲーマーのモチベーションを高める要因への理解が、クリエイティブの成功に繋がります。 プレイヤーのモチベーションは、さまざまなユーザーペルソナを表しており、チームがエンゲージする可能性が最も高いゲームメカニクスを紹介するのに役立ちます。 ゲーム以外の分野では、マーケターはアプリに最も近いモチベーションを選び、それをゲーム化する必要があります。

80%

SparkLabs制作の成功したクリエイティブ において、広告タイトルの
モチベーションと一致するゲーマーのモチベーションがターゲットでした。

ゲーミフィケーション、非ゲームアプリのクリエイティブ制作にも応用できます。 ゲーミフィケーションを取り入れた広告は、ショッピングやフィンテックなど、幅広いカテゴリーのアプリのエンゲージメントと収益を向上させます。

27%

の非ゲームアプリの成功クリエイティブは「ゲーム化」によるものです。. Rewarded Playは、自社製品を紹介するプレイアブル広告でハイパーカジュアルゲームをモチーフにし、成功を収めました。

  1. CTVはストーリーテリングの限界を超える

CTV向けの実写広告クリエイティブは、ストーリーテリングの可能性を大きく広げ、プロットやビジュアル要素を備えた映画のような体験を提供します。CTV独自の没入感のある表現と大画面を活用した広告は、モバイルよりも深いレベルでユーザーの共感を呼ぶ、記憶に残るストーリーテリング体験をもたらします。

広告主とブランドは、CTVをマーケティングミックスに追加して成功しました。
2023年、SparkLabsが制作し、成功した非ゲーム広告の57%がCTV向けでした。

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データドリブン・ストラテジーで、パフォーマンス広告のクリエイティブを次のレベルへ

「人」の存在がエンゲージメントを促進

私たちは自然に他の人間に惹かれます。 人間の脳は、顔に集中するようにできているため、クリエイティブに人の顔を追加することで、広告と視聴者の間につながりや共感が生まれます。

どのようなアプリのクリエイティブにも、キャラクターは追加できます。 親近感のあるストーリーテラーによる物語は、オーディエンスとつながるための効果的な方法です。

セールスメッセージよりもエンターテイメント性を重視したユーザー生成コンテンツ(UGC)を取り入れたスマートなネイティブ動画を制作

2023年に成功したクリエイティブの66%に、人間と人間らしいキャラクターが登場

少ないほど良い

アクセシビリティを考慮したデザインは、インストールへの障壁を引き下げ、直感的なオンボーディングエクスペリエンスを生み出しますが、これはアートにおいても同様です。アセットのリスキンや新しいカラーパレットの使用など、効果的なクリエイティブ戦略に簡単なアップデートを加えることで、ユーザーにアクションを促すと同時に、広告クリエイティブに新しい命を吹き込むことができます。

ユーザーが重要な要素を簡単に特定し、予想されるアクションをすばやく理解できる、 最低限のUIを使用したシンプルなSHEINのデザイン

画面上のブランディングを強化する

通常の静的なアイコン、ロゴ、CTA以上のものを取り入れましょう。ブランドの存在感を高めるため、アニメーションのバナーや、ゲージバーを追加してみましょう。これらの要素を取り入れることで、ユーザーの注目を集め、ブランドの想起力を高めることができます。

ユーザーの注意を引きつける動的要素、目新しさを求めるユーザーのための新鮮なブランドデザイン

ボーダーやバナーなどのブランド要素はブランディングを強化するためのシンプルかつ効果的な方法である一方、カスタムブランドミュージックのようなより取り組みも効果を発揮します。

季節限定広告:量より質

ホリデーシーズンに向けてアセットをリスキンするだけでは、ユーザーの関心を引くことはできません。 新鮮なコンセプトを追求し、洗練し、オリジナルの季節ごとの物語を提供するクリエイティブのパフォーマンスははるかに優れ、そのインパクトも長続きします。

重要なのはタイミングです。エンゲージメントと広告費用を最大化するため、ホリデーシーズンの1ヶ月前に季節限定のクリエイティブを配信し、2〜3ヶ月後にも配信を継続します。 特に、CTVの季節限定広告の効果は目覚ましいものがあります。

「Distracted Kiter」は、クラシックなホラー映画にインスパイアされた、ハロウィーンのクリエイティブです。Match 3Dにおいて最も高パフォーマンスのクリエイティブになりました。

クリエイティビティに限界はありません。本レポートでご紹介した傾向とベストプラクティスを基に、ジャンルや画面を越えて、これまでにない方法で新しいオーディエンスにつながることができます。 パフォーマンス広告の品質とインパクトを向上させるには、AIを活用したクリエイティブプロセスに継続的かつ反復的なテストを組み込むことが重要です。

2024年はパフォーマンス広告にとって刺激的な1年になることが予想されます。今後もクリエイティブのトレンドに注目しましょう。

REPORT

ベストプラクティスと成功するキャンペーンの事例からさらに学びを深めましょう

パフォーマンス主導のクリエイティブをモバイル広告で活用しましょう