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#デベロッパーさんに直撃 Hypr Games に聞く、モバイルゲームのインド進出成功の秘訣

Sunny Bhasin
5月 22日, 2019
ask the developer hypr games

より多くの方にアプリのマネタイズのコツや成功事例について知ってもらえるよう、デベロッパーのみなさんの声をうかがうシリーズ #デベロッパーさんに直撃を AppLovin ブログで展開しています!(過去の記事はこちらをご覧ください)

今回のインタビューではインドに拠点を置く Hypr Games の Abishek Buchavi 様に、インドのモバイルゲーム市場の特徴、ハイパーカジュアルゲームの開発のコツなどについてお伺いしました。

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Abhishek Buchvani, Vice President, Hypr Games

 

まずはご自身のキャリアについて少しお聞かせください。

U2opia Mobile のゲーム部門 Hypr Games のバイスプレジデントを務めるAbhishek Buchvani と申します。以前は Cosi Games の共同創業者として、Miniclip や Gameloftなどの大手ゲームパブリッシャーと仕事をしていました。

私は13年前からゲーム開発を始めました。これまで、デベロッパー、プロダクトマネジャー、ビジネス職など様々な役割で、インドやシンガポールの大手デベロッパーと仕事をしてきました。Miniclip では、無料プレイのスポーツゲーム「Bowling Kind」をプロデュースしました。Google Play と AppStore で売上トップ10入りし、DAU(デイリーアクティブユーザー数)は百万超を記録しました。これをきっかけに、サッカーのペレやクリスティアーノ・ロナウドなどのスポーツ界のセレブをフィーチャーするゲームを手掛けるゲームパブリッシャーの Cosi Games を創業しました。才能あふれる開発チームをインドと米国で展開し、2年間で2,000万ダウンロードを達成しました。

そして2018年後半に Hypr Games をスタートしました。U2opia Global Group 傘下のゲーム開発部門です。ハイクオリティかつ低容量なハイパーカジュアル・ソーシャルゲームを、Facebook メッセンジャーなどのモバイルプラットフォームで世界のオーディエンスに向けに開発しています。また、パブリッシング事業では欧米のデベロッパー様のインド市場進出をサポートしています。

 

インドのゲーム市場は急速に成長していて、Alibaba 傘下の Paytm や Tencent、Youzu、Nazara などが参入しています。インドのモバイル市場は2020年までに11億ドル規模になるとの試算があります。インドのモバイル市場の現状についてのお考えをお聞かせください。

インドのゲーム市場はこの2年で急速に成長しています。割安なスマホや格安のデータ料金の登場が主な背景です。国内のスマホ台数は5億台超で、ユーザーの約60%が普段からゲームをプレイしています。初めてのゲーム体験がスマホを通じたものというユーザーはかなりの割合になります。参入障壁が低く、そして英語を理解する若者が多く、大きな可能性を秘めた市場だと思います。

Hypr Games では市場について前向きな展望を持っていて、参入を考える欧米のデベロッパーさんに決済や配信、マーケティング、ビジネス拡大など全面的なサポートをできるような体制確立に向けて、積極的に投資しています。

 

他の地域のモバイルゲーム市場とインド市場の違いはなんですか?

圧倒的な規模、英語を話す若いオーディエンス、低い参入障壁だと思います。スマホユーザーで世界第2位の規模の市場で、世界のゲームプレイヤーのほぼ10分の1をターゲットにすることができます。インドのモバイルゲーム市場はちょうど3年前の中国市場に似ていますが、異なるのは文化の壁がない点です。

モバイルファーストのカルチャーで、インドではゲーム収益の90%がモバイルで生まれています。インドのモバイルゲームの年間売上高は2020年には24億ドルに達する見通しです。全体的な収益でインドが世界で最も成長スピードの速いモバイルゲーム市場になるということです。ただ、これだけの成長を遂げても、インドの2020年のARPPU(顧客1人当たり平均売上高)はほかの新興国を下回る試算です。

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Source: Newzoo

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Source: Newzoo

 

ハイパーカジュアルゲームは、モバイルゲームの世界で最もエキサイティングなトレンドです。欧米ではこの1年ですでにブームになっていますが、アジア(特に中国)はまだそのトレンドに追いつこうとしているところです。御社はなぜハイパーカジュアルゲームの開発をしようと決めたのですか?

インドでは、スマホユーザーの大部分がゲーム初心者で、Fruit Ninja や Candy Crush などのカジュアルゲームをプレイしています。また、インドではカジュアルゲームはGoogle Play でダウンロード上位10位以内に常にランクインしています。ハイパーカジュアルゲームは、中国ではトレンドの兆しが見えますが、まだ欧米ほどの勢いはない状況です。

 

ミッドコアゲームに比べてハイパーカジュアルゲームは開発・ローンチがしやすく、プロトタイプで素早くテストプロモーションをすることができます。Hypr Games さんの戦略はどのような形でビジネス拡大につながっていますか?成功事例などお聞かせください。

ハイパーカジュアルゲームはシンプルに開発できますが、最初のバージョンから成功するのは簡単ではありません。カジュアルなゲームをユーザーが繰り返しプレイしたくなるような面白いゲームを開発すことに全身全霊を傾けます。

まずは収益化などは度外視して、面白くて夢中になり、何度も繰り返したくなるようなコアのゲームプレイを生み出すことに注力します。納得できるコアの仕組みができたら、リテンション率などの KPIとスケーラビリティをテストします。こうした初期のKPI を見ることで、計測が容易な KPI 改善につながる正しい方向にゲームを導くことができます。ハイパーカジュアルゲームの開発プロセスは、どんどん新しいゲームを作り,場合によっては捨てるという,失敗を前提とした速い動きが必要です。そのため、ミッドコアやハードコアのゲームの開発プロセスとはかなり違います。

 

インドのモバイルゲームの業界事情についてお聞かせください。デベロッパーがパブリッシャーと組む必要がありますか?インド独自の業界カルチャーなどありますか?

インドでのゲーム配信は中国のように難しくありません。ただ App Store でゲームをリリースするだけでは上手く行きません。適切なパブリッシャー、または現地のパートナーと組んで、ユーザー拡大と収益拡大をサポートしてもらう必要があります。市場での存在感が強いパブリッシャーの手を借りて、マーケティング、決済、ソーシャルメディアなどを確立しなければなりません。

Hypr は直近、エミー賞受賞のアニメをベースにした「Oddbods Turbo Run」をインドでリリースしました。Hypr のインド市場での存在感、マーケティング力、収益化のノウハウを基に、タイトルを成功に導けるはずです。

 

今までの最大のチャレンジを教えてください。

プロダクトのクオリティとリリースのタイミングのバランスを取ることが最大のチャレンジです。弊社の才能溢れるチームは、「素早く組み立て、素早く失敗を経験する」というアプローチに長け、恐れずに挑みます。重要なのは、良い人材を採用すること、現実的なロードマップを描くこと、長期のゴールにコミットし続けることです。

 

今後の展望をお聞かせください。現在取り組んでいるハイパーカジュアルゲームについて もお聞かせ願えればうれしいです。

ハイクオリティ、そしてみんなが夢中になるモバイルゲームを世界に向けて開発・配信することに取り組み続けています。

自社でモバイルゲームを開発する一方で、ほかのデベロッパー様のインド参入をサポートする独自のスタイルは弊社の強みです。弊社の価値提案を強化し、ヒットゲームを生み出すことにこれからも力を注いでいきます。

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