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3Q Digital サミットで AppLovin CEO の Adam Foroughi が語る

Nori Hayashi
6月 26, 2018
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3Q Digital と Google が共催した 3Questions Executive Summit では、メディア、ゲーム、エンターテイメント、動画、フィットネス、ヘルスケアなどの分野で活躍する著名人が一堂に会し、テクノロジーの変化やメディアの展望について議論しました。弊社 CEO の Adam Foroughi も 3Q Digital の David Rodnitzky CEOと登壇し、AppLovin の創成期や進化するモバイルのエコシステムについて語りました。

まずは、おそらく多くの方々が感じている疑問、AppLovin という社名の由来について David Rodnitzky 氏が質問しました。米映画 Superbad (スーパーバッド)の登場人物、 McLovin (マクラビン)から名付けたとの噂があるようですが、実は違います。

「当初は会社設立でドメイン名に多く投資していましたが、結局それらの会社はうまくいきませんでした。そこで、ドメイン名と成功に直接的な関係はないと気づき、良い社名を考えるのに時間を無駄に費やすのをやめました」と Adam は言っています。「ドメイン登録サービスの GoDaddy で検索して AppLovin というドメインを8ドルで買いました。当初は周りから社名を変えるように度々説得されていました。しかし会社が成功し始めると、社名について何か言われることはなくなりました」

 

プロダクトと自分を信じる

AppLovin はスタートアップの世界では珍しく、創業時にベンチャーキャピタル(VC)から潤沢な投資を受けていたわけではありません。2012年にステルスモードでローンチしたとき、Adam は自らのビジョンを信じていない VC から資金を調達するのは難しいと感じました。

Adam は「AppLovinの場合、急速にビジネスが成長したので、幸運に恵まれました」と言い、「2012年のローンチのとき、資金調達のためにシリコンバレーの大手 VC には全て打診しました」と明かしました。「最終的にはエンジェル投資家から400万ドルの資金を集めましたが、それから資金調達を行うことはありませんでした。資金集めに苦労して学んだことは、間違っていると言う人がいても、自分がやっていることを信じることです」と Adam は語ります。

シリコンバレーでは、VC の投資先は成功するとの見方から、多額の VC マネーを引き出すことが一種の勝利のようにとらえられがちです。「シリコンバレーには VC からの資金調達が名誉の印のようなムードがあります」と David Rodnitzky 氏も言います。

しかし現実はもっと複雑だと Adam は語ります。「VC マネーが成功と密接に関連していると考えている人が多いですが、多くの大手 VC は待っていれば新たなアイデアが舞い込んでくるような状況なんです」

会社が成長に向けた追加資本を必要とすることはあります。「お金は重要です。ただ、VC から資金を調達するタイミングはビジネスが成長している時です」とAdam は言います。「私は VC から資金を調達しませんでしたが、成長に向けて資金が必要な会社もあります。カギはタイミングだと思います」

 

小規模デベロッパーの成功を支援

AppLovin にとっての成功とは、モバイルのエコシステムにある課題を特定してそのソリューションを提供することです。その課題こそがアプリの発見です。「自分でアプリを作っていたとき、マーケティングに苦戦しました。そこで、このマーケットにまだ余地があることに気付いたんです」と Adam は明かしました。

アプリのマーケティングに苦労した経験を活かし、Adam はあらゆる規模のデベロッパーが適切なオーディエンスにアプリを届けるのをサポートできるようなプラットフォームを構築しました。AppLovin がスタートしてから6年ですが、アプリ発見の課題はまだ残っています。Facebook や Amazon、Google、Apple、Microsoft などのテックジャイアントが席巻する世界ですが、それでもニッチな部分を狙って成功を模索する企業は消えません。

「アプリのエコシステムは細分化していて、世界中のどんな小規模のデベロッパーでもコンテンツを開発してビジネスを大きくすることができる点が魅力的です。夫婦で仕事を辞めてアプリを開発するというような話をよく耳にしますが、こういった話は特別なことではありません」と Adam は言います。

大手テック企業が台頭している中、こうした小さなデベロッパーについて一般的に知られることはあまりないようですが、彼らは自分なりの成功の道を辿っています。

「名前を耳にすることはないかもしれませんが、大手の名前ばかりが取り沙汰される市場でこうしたデベロッパーは大きな富を着々と築いています。素晴らしいことだと思います」と Adam は言います。

「僕は娘たちには高校生でプログラマーになり、大学の費用は自分で稼いでほしいと思っています。コンテンツを開発してマーケティングをして成長させようと取り組むことは誰にとっても価値ある体験だと思います」

 

モバイルの今後の展望は

モバイル以外にも、Amazon の Alexa や Google Assistantといった音声アシスタントなど、消費行動を変える新たなプラットフォームが登場しています。「モバイルから違うフォーマットにシフトしているテクノロジーは多くあります。自動化やカスタム化、ターゲティングなどを行う企業にデータを送る何らかのフォーマットに私たちが使うもの全てがつながって、人々の行動様式が変化する時が今後5~10年以内に訪れるはずです」と Adam は言います。

音声アシスタントなどの新興プラットフォームの最大の問題は、消費者の信頼がまだ得られていないことです。スマートアシスタントでは、録音されていないこと、そして第三者企業がデータを自社の利益のためにデータをコントロールしていないという点について消費者から信用を獲得する必要があります。この信用がなければ、いかに便利でも新たなプラットフォームが成功することはないでしょう。

Adam の場合は、大手テック企業が支配する市場で小さなアプリデベロッパーでも成功できると信じた経験と、その信念が成功につながりました。ビジョンがあれば、たとえ否定の声が聞こえても自らの信念を貫いてください。市場での成功を証明し、賢くビジネスを成長させ、収益性に力を注げば、やがて会社は成功するはずです。

 

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