収益化, 非ゲーム

AppLovin x アドテック東京
非ゲームアプリ収益化のリアル

Amy Mills
10月 23, 2018

AppLovin は、2018年10月4日・5日、東京国際フォーラムにて開催されたアジア最大規模のマーケティングカンファレンス「アドテック東京」に初出展いたしました。

ブースに豪華ゲストを迎え、モバイルECからオムニチャネルマーケティングまで、モバイル業界の幅広いテーマについて興味深いお話を伺いました。この全10セッションは、AppLovin 公式Facebookページでライブ配信を行いました。

当日開催されたセッションのうち、本記事では第2回目のセッション「非ゲームアプリ収益化のリアル」の様子をお伝えします。登壇者は、リミア株式会社 相馬様、Supership株式会社 文屋様です。モデレーターは弊社坂本が務めました。

https://www.facebook.com/AppLovinJP/videos/1059177467597544/

 

坂本:皆様こんにちは。数々のブースやセッションがある中、ここにお越しいただきありがとうございます。「非ゲームアプリ収益化のリアル」ということで、非ゲームアプリの代表として、リミアの相馬(そうま)様、非ゲームアプリの収益化には定評がある Supership アドジェネ (Ad Generation) の文屋(ぶんや)様に、今回お越しいただいております。それではまず、簡単な自己紹介をお願いします。

 

累計ダウンロード600万、MAU500万! 住まい暮らしのライフスタイルメディア「リミア」

相馬:ありがとうございます。リミア株式会社の相馬と申します。よろしくお願いします。僕は去年の10月からグリー株式会社に入社し、そのままリミア配属となりました。最初の半年間はアプリのプロモーションを担当していました。今年の4月からアドネットワークのマネタイズというところも自分の担当領域となりまして、それから一応リミアのアド領域全般を担当させていただいております。

坂本:プロモーションもマネタイズも、今両方担当されているということですね。大忙しですね。

相馬:そうですね。(笑)おかげさまで。

簡単にリミアのご説明をさせていただきます。 リミアは一言で言えば、住まい暮らしのライフスタイルメディアです。グリーのグループ会社ですが、グリーのミッションが、「インターネットを通じて世の中をよりよくする」で、その中で僕らは「インターネットによって毎日の暮らしをより楽しく幸せに」というミッションで、住まい暮らしという領域を担わせていただいております。手前味噌にはなりますが、去年の夏からプロモーションも本格的に開始し、メディアの規模としては順調に伸びてきています。今のところダウンロード数では600万強。去年の年末には Google Pla yのベストオブ2017で、ユーザー投票部門でトップ5に選出していただいたりと、嬉しい状況になっております。

 

 

坂本:累計ダウンロード600万、MAU500万って、アクティブ率異常じゃないですか。

相馬:MAUでいうと、今のところウェブがまだ大きいものの、実際の収益で見るとかなりアプリが主戦場になっています。そこが結構面白いですね。

坂本:ウェブだと一見さんみたいな方が来るけど、アプリのほうがアクティブにページが見られるので、収益としては大きいということでしょうか。

相馬:まさしくそうですね。PV/UUを見ても結構数倍単位でアプリとウェブだと変わってくるので、結構アプリのユーザーさん獲得というのが収益には直接的に跳ね返ってきているなと感じています。

坂本:アプリとウェブ、どっちが先だったんですか?

相馬:元々はウェブスタートではあります。

坂本:きれいにアプリ化して成功したパターンですね。素晴らしいですね。ありがとうございます。

相馬:よろしくお願いします。

坂本:では、AppLovin もいつも大変お世話になっております、Supership アドジェネの文屋さん、ご説明よろしくお願いいたします。

 

国内アプリパブリッシャーの半数以上が利用するアドジェネ

文屋:よろしくお願いします。Supership株式会社の文屋と申しますSupership ではスケールアウトという DSP があったり、いろんな事業をやっています。その中でも SSP の「Ad Generation(アドジェネ)」というプロダクトを担当しております。主にアプリパブリッシャー様に多くご利用いただいている現状です。細いサービスやできることは省かせていただきますが、アドジェネができる事としては主に3つあります。

  1. エクスチェンジ(RTB)の広告配信
  2. カスタムタグ含めた全てのアドネットワークのメディエーション配信(AppLovinでも大変お世話になっています!)
  3. 純広告、自社広告といったアドサーバー機能の提供

お陰様で多くのアプリパブリッシャー様にご利用いただいております。昨月の自社調べては、iOS、Android のストアで MAU が多いアプリで、シェアではなく導入率で半数以上のアプリがアドジェネをアドのプラットフォームとしてご利用いただいています。

 

 

坂本:相当すごいですよね。

文屋:サービスを開始した時は後発でスタートしたので、本当に広がるか心配がありましたが、コツコツ頑張っていたら多くのメディアさんに使っていただけるような結果となりました。

 

リミアが語る、アドジェネの魅力

坂本:では早速セッションのほうに入っていこうと思います。実際にリミアさんからアドジェネさんを使っていて、どんなところがいいなと思われますか?

相馬:まず一つ、国内の主要なアドネットワークが、ほぼ「カスタムタグ(カスタムメディエーションとも言われています)」で導入できるというところが強みとしてあると思っています。「カスタムタグ」だとマージンがかからないんです。すごい驚きでした。

坂本:要するに潮流として一回アドジェネを通して、リミアさんではなくて直でアドネットワークのタグを発行して、アドジェネをあくまでツールとして使って入れると、間で抜かれることがないと。これ言って大丈夫なんですかね、この場で(笑)。

文屋:大丈夫です。先ほど説明したアドサーバーというところの機能をうまく活用いただいている事例だと思いますので。

相馬:アプリのインフィード枠は、ほぼ全てアドジェネさんを導入させていただいています。額が大きくなってくる中で、実際中身の内訳を見ると、ほぼ「カスタムタグ」が占めています。僕はそれを一回疑問に思って、「これアドジェネさん的にはメリットあるのかな」と、実際で打ち合わせでも聞いたことがあります。

坂本:当然思いますよね(笑)。

相馬:でもそれはメディアサイドから見たら、すごくありがたい強みだなと思っております。後はもう一点、単純にプロダクトとしての優位性が強いと思っています。シンプルにレポート機能もかなり充実していますし、最適化のロジックも、弊社も別の SSP でメディエーションをかけた事があって、結果を見た時に、やっぱりアドジェネさんはかなり精度が高いと感じるシーンがとても多いです。

文屋:ありがとうございます。

坂本:それはメディア目線で見るとすごく嬉しいですよね。レポートとかめんどくさいと、毎日やることだったら地味に大変ですものね。

相馬:すごい大変になりますね。すごい助かっています。

文屋:ありがとうございます。

 

アドジェネから見た、リミアの凄さ

坂本:続いて、アドジェネ文屋さんから見て、リミアさんのすごいところは?

文屋:リミアさんのいいところは、二つあるかと思っています。「カスタムタグだけ使ってそれでいいや」というメディアさんもいらっしゃるので、リミアさんはサービスや収益化のグロースに対して、常に真面目に考えられているところは素晴らしいと思います。

坂本:確かにそうですね。一理はあると思いますが、とりあえず入れておけば後は「なんとかしてくれるんでしょ」とか、ずっとツールとして使ってそれだけの関係で終わってしまうところもいますよね。

文屋:弊社はサービスとして単純に収益化のツールと見られるのではなく、できればメディアさんと同じ方向を向いて、一緒にサービスや収益化をグロースさせていきたいと思っています。そういう良い関係値を築けているのは嬉しいことだと思っています。あともう一つは、広告事業者さんから効果が高いと言われています。インフィードの枠も、他の媒体主さんでは見られないほど高い単価がついていたりしますね。

坂本:それはすごいですね。単純に広告主から見た時のメディアの価値が高い。良いパフォーマンスを出している、ということですね。

文屋:はい、他の媒体主さんに数字などはお見せしませんが、例えば実装の例だったり、こういう媒体主さんって収益化がうまくいっていますよといったところでお話する時のいい例になっています。

坂本:実装もすごくきれいで、ネイティブの見本ですね。相当デザインを工夫されたり、改善されたりしていますか。

相馬:弊社の開発グループのメンバーが、まめにメンテナンスを行なっています。PDCA はよく回している感じです。

 

非ゲームアプリ収益化の課題

左から AppLovin 坂本氏、リミア株式会社 相馬氏、Supership株式会社 文屋氏

坂本:では続いて、今回のテーマが「非ゲームアプリ収益化のリアル」ということで、非ゲームアプリのマネタイズを担当されている側、もしくは支援する側として、課題感についてお話を伺えると。相馬さん、日頃感じていらっしゃる課題感はありますか。

相馬:ありますね。経緯から説明しますと、弊社は去年の夏ぐらいからプロモーションを本格的に開始し、それに伴ってメディア規模も順調に伸びてきました。

坂本:テレビCMとかも結構やっていらっしゃいましたね。

相馬:10月にテレビCMとかもやらせていただきましたが、それに伴ってメディア規模が上がっていけば必然的に収益もある程度はついてきますよね。でもリミアのメインターゲット層は30歳〜45歳の女性で、実際のユーザーさんもその層の方が多いです。その層が日本に900万から1000万人いると言われています。リミアは既に600万以上のユーザーの獲得を進めている状況なので、だんだん今のプロモーション活動も爆発的な伸びが期待できなくなってくると思っています。

坂本:いわゆるサチってくるという状態ですね。

相馬:はい。だからといって、広告売上を成長させるのを諦める訳にはいきません。そのため、収益性という点での改善が絶対的に必要になってきます。リミアは運用型広告において、業界的にも割と高い単価感でやらせていただいています。そうなると、現状のままだとなかなか収益性の大きな伸びが難しくなってくるのではないかと思っています。

我々はナショクラ・ブランド系広告主様向けの広告商品設計がまだできてなくて。その点、クックパッドさんはすごいな、と思いています。

坂本:具体的にどいうことですか?

相馬:2月にクックパッドさんのアプリ内でチョコレートで検索した時に、チョコメーカーの広告が大々的に出るというのは、誰がどう考えても、確かにいいなと思える広告じゃないですか。そういうナショクラ系の案件だったり、みんながいいと思えるような広告の商品設計みたいなところに着手できていません。

坂本:なるほど。いわゆるインフィードではインプレッションは出るけど、例えばユーザーがアプリを使っている中で特別な行動をした時に、ベストマッチした特定のナショクラさんの広告が出てくる、というところまではまだ着手できていない、ということですか。

相馬:はい、これから取り組みたいと思っています。また、そもそも予算感を持っていらっしゃるクライアントさんにもう少し目を向けてもらえるようになればいいな、というのが現状の課題感ですね。

坂本:確かに僕たちも日頃見ていると、アプリのプロモーションの広告主さん、 ウェブでもダイレクトレスポンス系・パフォーマンス系の広告主さんは、アプリの中でも広告を出しているのを見ますね。ナショクラ、ブランド系広告主様は、ウェブで見るあの頻度と比べると、アプリでは全然出てないという感じはありますね。

相馬:欲しいですね。

坂本:文屋さん、それ欲しいんですが、アドジェネさんなんとかなりませんか(笑)?

文屋:僕たちSSPの立場からしても、アプリ向けにブランド広告がもっと流れて欲しいというのは、同じように課題感としてあります。

坂本:Supership さんからして、アプリではウェブに比べてブランド広告主が少ないと思われますか?アプリはウェブに比べ、ユーザーの利用時間が長く、全画面で広告が出てきたり。普通に考えると、もっとブランド広告があってもおかしくないと感じすますが。

文屋:個人的な所感ではありますが、理由の一つは、代理店さんや広告主さんがアプリをあまり知らない、という点があるのかもと思っています。リミアさんみたいにマス広告を出しているような大きい媒体社さんだと知っているかもしれませんが、本当にいろいろなアプリがありますので。我々モバイルや広告業界の人はアプリストアやストアのランキングを見て話をすることが多いと思いますが、内容が専門的すぎてあまり一般的ではないのかなと思います。

もうひとつは、どうしても今まで「ウェブからのデジタル」という経緯があったので、リーチがあまりないと思われてるかもしれませんね。

坂本:それこそリミアさんとかだと、30歳〜45歳の女性1000万人中、すでに500万人以上アクティブユーザーとして押さえていますよね。リーチで言うと、その年代に絞れば本当はテレビにも負けてないぐらいのポテンシャルがあるはずじゃないですか。

文屋:そうですよね。なので、そのような情報をもっと媒体社さんから外に発信してほしいですね。

坂本:知られていない、というところがまず最初の課題感としてはあるのかもしれないですね。皆さんブランド広告主さんのお知り合いがいたら、リミアに広告を出した方がいいよ、と言っといてください(笑)。

相馬:よろしくお願いします!

 

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