マーケターがアプリのパフォーマンスを正確に計測するための KPI(キーパフォーマンス指標)にはさまざまなものがありますが、すべてのマーケティング KPI があらゆるシナリオに当てはまるわけではなく、重要なわけでもありません。
多くのアプリマーケターは、アプリ内課金、広告、サブスクリプション、アップグレードによって収益化に多くの時間を費やしている一方で、どのユーザーを維持するべきかといった深い分析は行っていません。この記事では、モバイルゲームのマーケティングの取り組みを強化するために、計測と最適化を行う上で欠かせない KPI と戦略に関する情報をまとめました。
膨大な数の競合がひしめき合う市場で、ユーザーの目を自社アプリに向けさせるのは容易ではありません。アプリのインストール、ユーザー登録、アクセス許可をしてもらうのはさらに難易度が高まります。
とはいえ、マーケターはインストールを正しいオムニチャネルにアトリビュートし、関連する収益と支払額を計測する必要があるとともに、ユーザー発見・獲得に関する指標について理解することが不可欠です。次の点に注目しましょう。
ユーザー獲得は多くのマーケターが注力している分野です。アプリストア最適化(アプリプロダクトページの管理を含む)の戦略も重要ですが、その他にも計測するべき主要なマーケティング KPI があります。
ポイント:ここで非常に重要なのはアトリビューションを正確に計測することです。これにより、マーケターはパフォーマンスの高いソースに対してさらにマーケティングを強化し、パフォーマンスの低いチャネルへの予算を削減することができ、全体的なユーザー獲得コストや CPA が低下します(下記参照)。
合計ダウンロード数の計測は重要なものの、ダウンロード数から読み取れる情報は氷山の一角に過ぎません。ユーザーがアプリを使用するにはインストールが必要なことから、インストール完了に至らなかったユーザーの割合を計測し、その理由を把握することが不可欠です。例えば、ユーザー登録、定期的なアップデート通知の購読、個人データへのアクセス、または連絡先や写真へのアクセスに対するデバイス許可をアプリが必要とする場合、ユーザーはインストールを止めてしまうかもしれません。
ポイント:インストール中のあらゆる時点において、インストールを止めた行動と、各種アクションを完了するのにかかった時間を入念に計測しましょう(インストールまで2分、ユーザー登録まで2時間、購読まで2日など)。
アプリのユーザーオンボーディングにかかるコストを計測するにはいくつかの方法があります。
ポイント:CPI、CPA、CACの3つすべての KPI を計測し、マーケティングキャンペーンを包括的に把握しましょう。これにより、効率的にキャンペーンを最適化しリソースを活用することができます。
ユーザー行動を分析し、データを活用してユーザーにとって魅力的なアプリ内体験を作り出すことで、ユーザーがアプリの何に最も惹かれているかを理解することができます。
必ず計測したい重要なユーザー行動は以下のとおりです。
セッションは、特定期間中におけるユーザーのアプリとの関わりを表し(例:レベルクリア、アップグレード機能の購入、パフォーマンスの停滞など)、ユーザー・アプリ間の全体的なエンゲージメントに関するインサイトを提供します。
特に次のセッションの KPI を計測してみましょう。
技術的な理由で発生するアプリ内の障害は、ユーザー体験とエンゲージメントに大きな影響を与えます。これを計測するための重要な指標は以下のとおりです。
ポイント:技術的な問題がユーザーに与える影響を軽視しないようにしましょう。質の低いユーザー体験は、滞在時間と収益の減少、アプリのアンインストール、悪いレビューにつながる恐れがあります。
ユーザーがゲームをインストールし、定期的にプレイするようになるのはあくまで始まりに過ぎず、次は収益化について考えなければなりません。ゲームの収益化の可能性を最大化するには、ユーザーの行動を理解して、それにインセンティブを与える必要があります。以下に、計測することで収益最大化に役立つKPIを紹介します。
この3つが、エンゲージメントの頻度を計測するための標準的な KPI です。ゲームの(1日あたりの、1ヶ月あたりの)アクティブユーザーが多いほど、総収益も多くなります。ここで計測されるのは、1日あたりの、または1ヶ月あたりの複数のセッションにおいて実際にアクティブな状態である可能性のある一意のユーザー数です。
定着率は、DAU を MAU で割ることで算出でき、DAU が MAU に近いほどアプリの定着率が高いということになります。
ポイント:DAU、MAU、定着率を計測してゲームの収益化の可能性を最大化しましょう。プレイヤーがアプリと関わる時間が長いほど、ゲーム内で課金する(収益が発生する)可能性も高くなります。
LTVは3つの変数カテゴリーに分類できます。
例
アプリの平均的なユーザーが毎月1.35ドルの収益を発生させ、1ヶ月あたりの離脱率が60%の場合、ユーザーが評価やレビューでこのゲームをおすすめしているのは間違いないでしょう。正確な計算のために紹介値を0に設定すると、平均的なユーザーのLTVは2.25ドルになると予測できます。
ポイント:購入までの時間、ARPU、LTVを計測することで、ゲームの収益化の可能性を計算できます。
どのアプリマーケターもアプリがネット上で話題になることを夢見るものです。他の KPI と同様に、アプリの相対的なバイラリティも計測可能で、影響を与えることもできます。バイラリティを計測するための標準的なツールとして使われるのがKファクターで、メンション、共有、紹介に特定のチャネルのコンバージョン率(%)を掛けて、アプリのバイラリティを評価します。
離脱は、ユーザーがアプリをアンインストールする、またはサブスクリプションを解約する確率を計測します。アプリマーケターがユーザー発見プロセスにおいて、特定の潜在ユーザーをターゲティングし獲得するのと同じように、利益を生み出すユーザーのみを維持し、アプリに戻ってきてもらうためにエネルギーとリソースを注入する必要があります。
アプリをアンインストールするユーザーの数は、マーケターにとって当然重要な KPI ですが、それ以上に重要なのはユーザーが離脱した理由を理解することです。離脱したユーザーの ARPU や LTV を確認し、リターゲティングする意味があるかどうかを判断しましょう。
市場の各フェーズにおいて、ゲームアプリのパフォーマンスを計測するための指標は他にもたくさん存在しており、非常にシンプルなものもあれば、極めて複雑なものもあります。
マーケティング KPI だけが正しいと思い込むのではなく、データについて学び、重要なユーザー行動に的を絞り、新規ユーザー獲得とゲームの収益化にとって最も重要な KPI を見極めましょう。
新規ユーザーを大規模に獲得する方法については、AppDiscoveryをご覧ください。