パフォーマンスマーケティング, ユーザー獲得

モバイルアプリのパフォーマンス計測に不可欠なマーケティング KPI

AppLovin Japan
2月 8日, 2023

マーケターがアプリのパフォーマンスを正確に計測するための KPI(キーパフォーマンス指標)にはさまざまなものがありますが、すべてのマーケティング KPI があらゆるシナリオに当てはまるわけではなく、重要なわけでもありません。

多くのアプリマーケターは、アプリ内課金、広告、サブスクリプション、アップグレードによって収益化に多くの時間を費やしている一方で、どのユーザーを維持するべきかといった深い分析は行っていません。この記事では、モバイルゲームのマーケティングの取り組みを強化するために、計測と最適化を行う上で欠かせない KPI と戦略に関する情報をまとめました。

  • ユーザーの発見と獲得
  • 体験とエンゲージメント
  • 収益化と評価
  • 離脱と継続率

ユーザーの発見と獲得のためによく使用されるマーケティング KPI

膨大な数の競合がひしめき合う市場で、ユーザーの目を自社アプリに向けさせるのは容易ではありません。アプリのインストール、ユーザー登録、アクセス許可をしてもらうのはさらに難易度が高まります。

とはいえ、マーケターはインストールを正しいオムニチャネルにアトリビュートし、関連する収益と支払額を計測する必要があるとともに、ユーザー発見・獲得に関する指標について理解することが不可欠です。次の点に注目しましょう。

アプリストア最適化(ASO)とアトリビューション

ユーザー獲得は多くのマーケターが注力している分野です。アプリストア最適化(アプリプロダクトページの管理を含む)の戦略も重要ですが、その他にも計測するべき主要なマーケティング KPI があります。

  • インストールに至るまでの閲覧回数 — インストール前にユーザーが広告を閲覧した、またはブランドと関わった回数。広告とブランドのパフォーマンスを表す優れた指標です。
  • インストールソースのアトリビューション — ユーザーにアプリを紹介し、インストールにつなげた最初のソース

ポイント:ここで非常に重要なのはアトリビューションを正確に計測することです。これにより、マーケターはパフォーマンスの高いソースに対してさらにマーケティングを強化し、パフォーマンスの低いチャネルへの予算を削減することができ、全体的なユーザー獲得コストや CPA が低下します(下記参照)。

ダウンロード、インストール、ユーザー登録、アクセス許可、アップグレード

合計ダウンロード数の計測は重要なものの、ダウンロード数から読み取れる情報は氷山の一角に過ぎません。ユーザーがアプリを使用するにはインストールが必要なことから、インストール完了に至らなかったユーザーの割合を計測し、その理由を把握することが不可欠です。例えば、ユーザー登録、定期的なアップデート通知の購読、個人データへのアクセス、または連絡先や写真へのアクセスに対するデバイス許可をアプリが必要とする場合、ユーザーはインストールを止めてしまうかもしれません。

ポイント:インストール中のあらゆる時点において、インストールを止めた行動と、各種アクションを完了するのにかかった時間を入念に計測しましょう(インストールまで2分、ユーザー登録まで2時間、購読まで2日など)。

CIP、CPA、CAC

アプリのユーザーオンボーディングにかかるコストを計測するにはいくつかの方法があります。

  • インストール単価(CPI)— CPI モデルでは、1人のユーザーがアプリをインストールするのにかかるコストを、その行動を発生させるのにいくらかかるかを基に計測します。例:9,000ドルの広告が6,000インストールを発生させた場合、CPIは1.50ドルです。
  • ユーザー獲得コスト(CPA)— CPA モデルではコストをより包括的に捉えます。例:総純費用が50,000ドルのキャンペーンで25,000人の新規ユーザーを獲得した場合、CPAは2.00ドルです。
  •  顧客獲得コスト(CAC)— CAC はさらに粒度の高い KPI で、有料広告を使用しないユーザー発見方法が含まれます。コールセンターが受信するリクエスト数、特別なイベントによる売上など、マーケティングに関連するオペレーション分野の影響を計測します。

ポイントCPICPA、CACの3つすべての KPI を計測し、マーケティングキャンペーンを包括的に把握しましょう。これにより、効率的にキャンペーンを最適化しリソースを活用することができます。

体験とエンゲージメントのためのその他のマーケティング KPI

ユーザー行動を分析し、データを活用してユーザーにとって魅力的なアプリ内体験を作り出すことで、ユーザーがアプリの何に最も惹かれているかを理解することができます。

必ず計測したい重要なユーザー行動は以下のとおりです。

セッション

セッションは、特定期間中におけるユーザーのアプリとの関わりを表し(例:レベルクリア、アップグレード機能の購入、パフォーマンスの停滞など)、ユーザー・アプリ間の全体的なエンゲージメントに関するインサイトを提供します。

特に次のセッションの KPI を計測してみましょう。

  • 発生したセッション数 — 通常、多いほど良いとされる
  •  アプリ滞在時間 — できる限り速くプレイするのを目的とするゲームでない限り、一般的に長いほど良いとされる
  •  セッション間のインターバル — セッション間の経過時間
  •  セッションの深さ — セッション内でユーザーがどこまで行動を進めるか(レベル1からレベル4へ、商品閲覧から購入へ、など)

レイテンシとクラッシュ

技術的な理由で発生するアプリ内の障害は、ユーザー体験とエンゲージメントに大きな影響を与えます。これを計測するための重要な指標は以下のとおりです。

  •  読み込み時間 — 誰しも待たされるのは嫌なものですが、モバイルでは特に待ち時間が長く感じられます。読み込み時間が長いと、滞在時間の減少、アプリのアンインストール、LTV の低下につながる可能性があります。
  • クラッシュ — ユーザーは質の低いユーザー体験(レイテンシ、フリーズ、クラッシュなど)に出くわすと、これらをクラッシュと見なし、アプリストアのレビューにその旨を書く傾向にあります。マーケターは、こうした技術的な要素がユーザー体験とビジネスの成果にどう影響するかをじっくりと考え、理解しなければなりません。

ポイント技術的な問題がユーザーに与える影響を軽視しないようにしましょう。質の低いユーザー体験は、滞在時間と収益の減少、アプリのアンインストール、悪いレビューにつながる恐れがあります。

収益化と評価のための主要なマーケティングKPI

ユーザーがゲームをインストールし、定期的にプレイするようになるのはあくまで始まりに過ぎず、次は収益化について考えなければなりません。ゲームの収益化の可能性を最大化するには、ユーザーの行動を理解して、それにインセンティブを与える必要があります。以下に、計測することで収益最大化に役立つKPIを紹介します。

DAU、MAU、定着率

  •  DAU — 1日あたりのアクティブユーザー数
  • MAU — 1ヶ月あたりのアクティブユーザー数
  •  定着率 — ユーザーがゲームに戻ってくる頻度。DAU を MAU で割ったもの

この3つが、エンゲージメントの頻度を計測するための標準的な KPI です。ゲームの(1日あたりの、1ヶ月あたりの)アクティブユーザーが多いほど、総収益も多くなります。ここで計測されるのは、1日あたりの、または1ヶ月あたりの複数のセッションにおいて実際にアクティブな状態である可能性のある一意のユーザー数です。

定着率は、DAUMAU で割ることで算出でき、DAU が MAU に近いほどアプリの定着率が高いということになります。

ポイント:DAU、MAU、定着率を計測してゲームの収益化の可能性を最大化しましょう。プレイヤーがアプリと関わる時間が長いほど、ゲーム内で課金する(収益が発生する)可能性も高くなります。

購入までの時間、ARPU、LTV

  • 購入までの時間 — アプリをダウンロードしたユーザーが購入に至るまでの時間
  • ユーザーあたりの平均収益(ARPU)— 特定の期間内にユーザーが発生させた平均収益額。ARPUはゲームアプリのマーケターが多く使用する指標ですが、どのカテゴリーにも当てはまる万能な KPI ではありません。アプリの収益化の可能性を最大化できるかどうかは、アプリが収益を上げるために使用する固有のメカニズムに大きく関係します。
モデル別のARPU収益
  •  顧客生涯価値(LTV)— 顧客生涯価値(CLTVまたはLTV)は、通常コホートの一部であるユーザーの総合的な課金機会を計測する KPI で、次の計算式で算出されます。

LTVは3つの変数カテゴリーに分類できます。

  • 収益化 — 顧客がインプレッション、サブスクリプションまたはアプリ内トランザクションを通して収益発生にどれだけ貢献しているか
  • 継続率 — ユーザーのゲームに対するエンゲージメントのレベル(特に平均顧客ライフサイクルの長さ)
  • バイラリティ — 顧客がアプリに紹介するユーザーの合計数(下記参照)

アプリの平均的なユーザーが毎月1.35ドルの収益を発生させ、1ヶ月あたりの離脱率が60%の場合、ユーザーが評価やレビューでこのゲームをおすすめしているのは間違いないでしょう。正確な計算のために紹介値を0に設定すると、平均的なユーザーのLTVは2.25ドルになると予測できます。

AppLovin CLTV formula example equation

ポイント:購入までの時間、ARPU、LTVを計測することで、ゲームの収益化の可能性を計算できます。

バイラリティの計測

どのアプリマーケターもアプリがネット上で話題になることを夢見るものです。他の KPI と同様に、アプリの相対的なバイラリティも計測可能で、影響を与えることもできます。バイラリティを計測するための標準的なツールとして使われるのがKファクターで、メンション、共有、紹介に特定のチャネルのコンバージョン率(%)を掛けて、アプリのバイラリティを評価します。

離脱と継続率

離脱は、ユーザーがアプリをアンインストールする、またはサブスクリプションを解約する確率を計測します。アプリマーケターがユーザー発見プロセスにおいて、特定の潜在ユーザーをターゲティングし獲得するのと同じように、利益を生み出すユーザーのみを維持し、アプリに戻ってきてもらうためにエネルギーとリソースを注入する必要があります。

アプリをアンインストールするユーザーの数は、マーケターにとって当然重要な KPI ですが、それ以上に重要なのはユーザーが離脱した理由を理解することです。離脱したユーザーの ARPU や LTV を確認し、リターゲティングする意味があるかどうかを判断しましょう。

市場の各フェーズにおいて、ゲームアプリのパフォーマンスを計測するための指標は他にもたくさん存在しており、非常にシンプルなものもあれば、極めて複雑なものもあります。

マーケティング KPI だけが正しいと思い込むのではなく、データについて学び、重要なユーザー行動に的を絞り、新規ユーザー獲得とゲームの収益化にとって最も重要な KPI を見極めましょう。

新規ユーザーを大規模に獲得する方法については、AppDiscoveryをご覧ください。

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